メダカの卵の孵化は水温で決まる


メダカの卵の孵化に最適な水温とは

メダカの卵の孵化に最適な水温は25℃です。

 

さらに言うと25℃の水温を保ちつつ10日間。

 

結果25℃×10日=250となることが理想とされています。

 

しかし現実的に考えるとヒーターを使わない屋外などで常に25℃を保ち続けることはほぼ不可能です。

 

それではどのくらいの水温の変化や水温差なら問題がないのかについても考えてみましょう。

 

水温の変化や水温差はどこまで大丈夫?

メダカは春から秋までかなり長い期間産卵を行いますので

季節によっては夜と昼間の水温にもかなりの変化が出てきてしまうものです。

 

実際にどのくらいまでの水温の変化なら問題ないのか?

 

実はこの水温の変化にはかなり対応できるようです。

 

問題なのは水温の変化ではなく水温差です。

 

理想とする水温が25℃であるのに対してどのくらいの水温差なら問題ないのか?

 

ここで今一度水温変化と水温差について確認しておきましょう。

 

ここで言う水温の変化とは日中は25℃くらいの水温になり、夜間になると少し冷え込むような水温の動きのことを指します。

 

屋外飼育などでは普通にあることですね。

 

水温差とは理想とする水温に対して高めの温度になることや低すぎることを指します。

 

例えば1日で1番暖かい時間帯の水温が20℃だとしたら水温差は5℃と考えることとします。

 

実はこの日中の水温差は卵の孵化率に大きな影響を与えます。

 

水は空気よりも温度変化が緩やかですので気温ほど大きな変化は起こりませんが

2020年の関東地方の気温の変化から見てみましょう。

 

メダカの産卵が徐々に始まる3月や4月には最高気温が25℃を超える日はありませんでした。

 

※goo天気過去の天気2020年参照

 

5月に入りやっと安定して25℃を超える日が増えてきました。

 

気温はその日の天候にも大きく左右されますが、気温の低い3月、4月はメダカが産卵しても孵化率は低くなってしまいます。

 

5月に入って気温が安定してくると孵化率も一気に高まり、沢山の稚魚が見られるようになります。

 

一例としてこんな実験結果があります。

 

水温25℃で管理した卵は孵化までに10日を要し、孵化率は95%を超えていました。

 

水温18℃で管理した卵は孵化までに25日を要し、孵化率は50%以下まで落ちていました。

 

水温30℃で管理した卵は孵化までに8日を要し、孵化率は50%以下となっていました。

 

※これはあくまでも一実験結果ですので参考までに。

 

このように水温差は卵の孵化率に大きく関係しています。

 

メダカの卵を育てるのに水温30℃は高い

先の実験結果でも確認できるように水温が30℃を超えると卵の孵化率は著しく低下してしまいます。

 

その理由としては水温の上昇とともにカビが生えやすくなる。

水中の酸素量が低下する。メダカの細胞分裂が活発になり過ぎて奇形などが起こりやすくなる。

などが挙げられます。

 

夏になると気温が30℃を超えてしまう日も多くなりますので水温の管理には気をつけなければなりません。

 

特に日中の直射日光が常に当たるような場所では水温がどんどん上昇してしまいます。

 

しかし、日光を避けて暗いところで卵を管理してしまうと今度は光不足により孵化率が低下してしまいます。

 

理想は明るく風通しの良い場所で水量のある容器で卵を管理することです。

 

夏の田んぼや用水路などをイメージしてください。

 

太陽はしっかり当たっていますが、水量があり、適度な水の流れと風通しにより水温は安定しています。

 

飼育環境でもこのような環境を維持できれば卵にとって良い環境となります。

 

冬に産まれたメダカの卵の水温管理

水槽飼育でヒーターを使用していると冬でもメダカは産卵します。

 

このような場合、メダカの卵を別の容器で育てる時には水温の低下に注意が必要です。

 

別容器にもヒーターを使用して水温を保てるのなら問題ありませんが

ヒーター無しの小さな小瓶やプラケースなどで卵を育ててしまうと水温が低過ぎる問題が起こります。

 

孵化率を高めたいのであればヒーターの使用をおすすめします。

 

メダカの卵に最適な水温を保つ方法

ヒーターを使用して安定した水温を保てれば1番良いですが、ヒーターを使用しない場合について考えてみましょう。

 

まずは卵を育てている環境の水温が1日のうちでどのくらい変化しているのか現状の把握を行わなければなりません。

 

1日中卵のそばにいられるのでしたら日中の1番気温が高い時間帯と夜間の一番冷え込む時間帯に水温計を確認してみてください。

 

もし、仕事などで水温変化の確認が難しい時には最高水温と最低水温を記録できる水温計がありますので

そのようなものを使うことで水温変化を確認することができます。

 

小さな容器で卵を育てていると外気温の影響を受けやすいため水温が上がりやすく、下がりやすいと言うデメリットがあります。

 

大事なことは大きな容器で水量を確保し、日中と夜間の水温変化がなるべくなくなるようにすることです。

 

1日の最高水温が低い時には太陽の光に長い時間当たる場所で卵を管理することで水温を上げることができます。