メダカの冬の室内繁殖で気を付けることは?


冬にメダカを室内で繁殖させる際にはいくつか注意すべきポイントがあります。

それは以下の3つです。

  • 水温が低下しないように注意する
  • 屋外メダカを室内に入れるときは水温合わせを慎重に行う
  • 容器を置くスペースを考えて繁殖させる

冬の室内でのメダカの繁殖で最も気を付けなくてはならないのが「水温低下」です。

 

室内で管理するメダカ水槽であっても、冬に無加温のままでは繁殖に適した水温を維持することは難しいです。

 

そのため、水槽内にヒーターを設置したり、部屋全体をエアコンなどの暖房器具で温めるなどして水温が下がらないようにして管理します。

 

しかし、ヒーターなどを使って水温管理している場合でも、水温が下がってしまうケースがあるので注意が必要です。

 

ヒーターを使用しているのに水温が下がってしまう主な原因として、「ヒーターのW数不足」や「低すぎる外気温」、「ヒーターの故障」などが挙げられます。

 

水量に対してヒーターのW数が少ない場合、設定温度まで水温が上がらないケースがあります。

 

何リットルの水量まで対応しているヒーターなのか、よく確認して使用するようにしましょう。

 

水量に適したヒーターを使っているにも関わらず設定水温まで温まらないと言う場合には、外気温が低すぎるか、もしくはヒーターの故障が原因として考えられます。

 

水槽の外の温度が低すぎると設定水温まで温まらない事があります。

 

特に、設定温度が最初から決まっている温度固定式のヒーターは注意が必要です。

 

温度固定式のヒーターの多くは、外気温が15℃の時に設定水温まで温める事ができる性能になっています。

 

そのため、外気温が15℃以下になる場所に置いてあるメダカ水槽に使用した場合、設定温度まで水温が上がらないケースがあります。

 

このような場合には水槽の水量よりも上のW数のヒーターを使うか、温度設定を任意で変えられる可変式のヒーターを使うようにすると良いでしょう。

 

また、エアコンなどの暖房器具を使って室温を15℃以上に保つのも効果的です。

 

ヒーターを使っているのに水温が外気温と同じと言う場合にはヒーターが故障している可能性があります。

 

水槽用ヒーターの耐用年数はメーカーによって違いがありますが、一般的に1年で寿命だと言われています。

 

しかし、寿命に関係なく急に故障する場合もあるため、必ず水温計を設置して水温を確認するようにして下さい。

 

以上のように、ヒーターなどの暖房器具のトラブルなどが原因で水温が低下し、メダカが繁殖しないケースがあるので、冬場の水温管理は注意して行いましょう。

 

次に気を付けたいのが、屋外飼育のメダカを室内に移動して繁殖させる場合の水温合わせです。

 

この水温合わせをおろそかにすると、最悪の場合メダカが死んでしまうので注意が必要です。

 

屋外飼育のメダカのうち、冬の間も繁殖させたい個体は室内に移して管理します。

 

ですがこの時、水温を25℃に設定した室内水槽にいきなり移してはいけません。

 

屋外のメダカを室内に移し始める秋口は気温が下がり始めており、水温が15℃前後になる日も少なくありません。

 

屋外の低水温の環境に慣れたメダカを水温25℃前後の室内水槽に急に移してしまうと、水温ショックを起こして死んでしまいます。

 

このような水温ショックを予防するために、まずは屋外と同じ水温の水を用意し、その中に屋外メダカを移して下さい。

 

次に、設定温度を任意に変えられる可変式のヒーターを使って、水温を徐々に上げていきます。

 

だいたい1日に1~2℃ずつ上げていき、最終的に23℃~25℃前後の水温になるようにしましょう。

 

このようにゆっくりと水温を上げていくことで、屋外飼育のメダカを安全に室内に移す事ができます。

 

最後に気を付けたいのが、「容器を置くスペースを考えて繁殖させる事」です。

 

しっかりと水温・日照時間を管理してあげれば、メダカは冬でも順調に産卵します。

 

しかし、メダカがたくさん産卵してくれるので調子に乗って採卵して繁殖させた結果、部屋中がメダカ容器で一杯になってしまうことも。

 

また、冬のメダカの繁殖では親魚だけでなく卵や稚魚を入れた容器にもヒーターやライトが必要なため

容器の数が増えるほどヒーターなどに使うコンセントも必要になってしまいます。

 

湯煎方式にして複数の容器を一度に温めるなど方法はありますが、いずれにしろ繁殖させすぎると容器の置き場所に困る事になります。

 

せっかく採卵したのに容器数が多すぎて管理できずに死なせてしまっては可哀想なので、繁殖させるメダカの種類を厳選するなどして計画的に繁殖させましょう。

 

以上がメダカの冬の室内繁殖で気を付けたいポイントです。

通常であれば産卵しない冬に繁殖させるわけですから、メダカが産卵するために適した水温をキープすることが最も重要になります。

 

特に、冬場に外気温が氷点下になるような地域では、ヒーターなどの暖房器具の故障が命取りとなるので注意して管理して下さい。