メダカの水換えを行うことは古くなった水、汚れた水を新しくすることですので良いこと尽くめと思われがちですが
水換えは方法を間違えると実は非常に危険な行為なのです。
水換えの知識が乏しいまま水換えを行っていると稀にですが、メダカが水換え後に全て死んでしまうなんてことさえあります。
水換えをして水を綺麗にしているのに何故死んでしまうの?と思われるかもしれませんが
そのような時には水質の悪化が原因ではなく、環境の急激な変化が原因であることが多いものです。
環境の急激な変化とは水温の変化、水質の変化、pHの変化などが挙げられます。
このような変化は目には見えないものですので知識を持っていないと
知らないうちにメダカにストレスをかけていることになってしまいます。
一度に全部の水換えを行うリスク
急激な環境の変化を起こす最大の原因は水換え時に全ての水を一気に交換してしまうような作業です。
大量の水換えを行えばそれだけ飼育水の状態が大きく変わることは容易に想像ができます。
水換えを部屋の掃除のように考えている人も多いようです。
「頑張って綺麗にすれば気持ちが良い」確かに部屋の掃除は綺麗になれば気持ちが良いですが
水換えは掃除ではなく、めだかにとっては環境の変化なのです。
水温の変化から考えてみると飼育水の水温が26℃として水道水から出てくる水温が22℃くらいだとしたら
この時点で4℃の水温差が生じます。
この4℃という水温差を意識せずに水換えを行えば、急激な水温差が発生します。
その水温差は交換する水の量によって影響度合いが変わることを頭に入れておきましょう。
急激な水温の変化はメダカにとっては致命傷となることもあり
そのまま死んでしまうことさえありますので気をつけましょう。
メダカのフンや餌の食べ残しで水質悪化
メダカのフンや餌の食べ残し
これらの有機物は安定した水槽では濾過バクテリアの働きによってスムーズに分解されていきます。
しかし立ち上げたばかりの水槽や濾過バクテリアの繁殖が少ない水槽では
生物濾過がスムーズに働かないため水質悪化が起こってしまいます。
水質が悪化するとコケの栄養となる物質が過度に増えてしまいコケが蔓延しやすい環境となってしまいます。
ここで出てきた「濾過バクテリア」と「生物濾過」についてはこの後詳しくご紹介いたします。
次の水中の富栄養化とは窒素やリンが溜まってしまう状態です。
窒素とリンといえば植物を育てたことがある人ならすぐにピンとくるはずです。
コケは藻類と呼ばれており、大きく分けると植物と同じ仲間となるため
窒素やリンを栄養分として光合成を行います。
よってコケの栄養となる窒素やリンが過剰に蓄積すれば
コケにとって好ましい環境となってしまうのです。
水槽内の窒素やリンは餌の食べ残しや生体のフンなどが分解されるときに生成されるため
肥料などを入れていなくても自然と蓄積してしまいます。
最後の過度な日光や照明の光もコケの成長を促してしまいます。
メダカ飼育に日光や照明は必要不可欠ですが、光の量や時間をしっかり管理することでコケの発生を極力抑えることができます。
これらの問題を一つずつ解決していき、コケの生え難い環境を維持していきましょう。
水槽にコケが生えない飼育方法
メダカ飼育に限らずアクアリウムを行なっていればコケは必ず生えます。
よってコケが生えない飼育方法というものはありません。
まずはそのことを前提として極力コケが生え難い飼育方法を考えてみましょう。
先にご紹介したようにコケの発生原因は以下となります。
・他からの持ち込み
・水槽内の水質悪化
・水中の富栄養化
・過度な日光(光)の時間と量
この原因を一つずつ解決していくことでコケの生え難い環境を維持することは可能です。
他からのコケの持ち込みについては先ほど説明しましたのでここでは割愛します。
水槽内の水質悪化と水中の富栄養化について合わせて話をすすめていきましょう。
この問題を解決するために知っておくべきことが、「濾過バクテリア」と「生物濾過」と「水換えの必要性」です。
濾過バクテリアがしっかり繁殖して生物濾過が機能している水槽と
水換えを定期的にしっかり行なっている水槽はコケが生え難いものです。
濾過バクテリアとは数ミクロンほどの非常に小さな微生物ですので目視することはできません。
しかし水槽内にこの濾過バクテリアが繁殖することで水を綺麗にしてくれています。
それが生物濾過と呼ばれるものです。